2006年08月25日

真夏の夜のリンチ・ワールド『マルホランド・ドライブ』




『キングコング』を観てから気になっていたナオミ・ワッツの
出世作『マルホランド・ドライブ』/2001年
監督はあの『ツイン・ピークス』のデヴィッド・リンチ。

《 Story 》
  ハリウッドを見下ろすハイウェイ「マルホランド・ドライブ」。
  坂を降りて行く車が事故を起こすが、一人助かった黒髪の女
  (ローラ・ エレナ・ハリング)は、運良く留守の高級アパートに
  身を隠す。
  そこは、田舎から女優を夢見てハリウッドにやってきたベティ
  (ナオミ・ワッツ)が叔母から借りている家だった。
  叔母の友人だと思い、親切に接するベティ。
  が、リタと名乗った彼女は実は記憶喪失で、自分が何者かもわからず、
  なぜここにいるのかもわからない。
  リタの記憶を取り戻そうと積極的に調べようとするベティだが・・・。


冒頭、車のフロントガラス越しに下っていく坂道の映像に
あのアンジェロ・パダラメンティの音楽が!
もうこのオープニングで『ツイン・ピークス』にはまっていた頃を
思い出しゾクゾク。

次々出てくる不思議なキャラ。
飛行機で出会う妙な笑顔の老夫婦、赤いカーテンの部屋の小人、
突如表れるカウボーイ、etc. ツイン・ピークス好きにはワクワクです。

なんだか見てはいけないとわかっていながら
目をそらせないような居心地の悪さとでもいうのでしょうか。
ドキドキ・バクバクするような恐怖ではなく、
背筋が冷たくなるような怖さでもなく、
訳のわからない不安に包まれ,
妄想なんだか、現実なんだかわからない展開に迷う。
すべてに意味があるようで、どんどんねじれていく世界に
引きづりこまれる違和感と快感。

いろいろな解釈があると思いますが、あまり予備知識をいれずに
リンチ・ワールドにどっぷり浸ることをおすすめします。

それにしても、ナオミ・ワッツ、
お人形さんのように綺麗なだけではないです。
幸せな表情から一転、嫉妬にもえる感情を
目の奥で表現していて鳥肌ものです。


リンチ・ワールドにはまったら、ぜひ↓


posted by *タンタン at 22:55| Comment(0) | TrackBack(1) | * シネマ & Books * | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月03日

『ダ・ヴィンチ・コード』

実は映画化決定以前に原作を読んでいました。


↑英語原作&テンプル教会、シャトー・ヴィレット、ニュートンのお墓
ロスリン礼拝堂etc.
写真が豊富な豪華保存版♪  


結論からいうと、原作の方が面白いんです。
西洋史をかじったものとしては、実在の歴史上の人物や
建築物などの名前が出てくる謎解きに引き込まれ、
久々の徹夜本でしたから。

カンヌ映画祭での失笑という記事や、先に観た夫と息子の
感想を聞いていたので、まったく期待しないで観ると
それほど悪くない、というのが正直な感想。
だいたいあの謎解きをすべて説明するのは無理なことなので
映画としてどう別物になっているかを楽しみにしていたのですが・・・。

イメージ的に、それはないでしょう、というのもなかったかわりに
こうきたか〜っていう驚きもなかったんです。

でも、冒頭ラングドンの「宗教象徴学の講演会」で使われていた
資料映像は面白かったです。
ナチの鍵十字が仏像の胸にあったり、
「いろいろなサインが時代や地方によって違う使われ方をしている」
というもの。そのまま、この講演聞いていたかった。

それから、テンプル騎士団、魔女狩り、ニケーアの宗教会議などの
フラッシュ・バックシーン。
もうそれだけで、映画1本作れそうなくらい、ホント贅沢でした。

原作には、ラングドンはハリソン・フォードの名前があったので、
トム・ハンクスはどうよ?と思っていたのですが、
そんなに気になりませんでした。
でも、いい人過ぎてインディー・ジョーンズのような
魅力がなかったのが、ちょっと残念。

この作品で一番目立ったのは、シラス役のポール・ベタニー。
実在しそうもない人物なのに、一番存在感がありました。
イアン・マッケランも良かったです。
かわいそうなのは、ジャン・レノ。
イメージはぴったりなのに、出番少な過ぎです。

それから、カール司祭役のアルフレッド・モリナは、
『ショコラ』の町長だったのですね!
『スパイダーマン2』で、な〜んか観たことある、
ってひっかかっていたのですが、パンフをみて納得。
ふっくらしたのでわからなかった・・・。

なんだかんだ言っても、映画館に見に行ったのですから
映画化成功なのでは?
でも、一番笑っているのはダン・ブラウンかも。
これ観たら、やっぱり原作読みたくなるもの。









posted by *タンタン at 23:37| Comment(6) | TrackBack(5) | * シネマ & Books * | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月04日

『ナイロビの蜂』〜 "The Constant Gardener"

『シティ・オブ・ゴッド』のフェルナンド・メイレレス監督。
冒険小説の巨匠ジョン・ル・カレの原作を映画化。

原題は、”The Constant Gardener "
主人公を一言でよく表していて見終わってからきいてくる
いいタイトルなのですが、なぜか邦題は「ナイロビの蜂」。
rebel blog / Subcomandante Matthewsのblogさんの記事では、
「世界のどこでも花を植える人」という意味で
ジャスティンの趣味のことだけでなく、テッサのことも
表しているとの説明があります。

主人公ジャスティンは、『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』では、
整った顔がまったくわからなかったヴォルデモートのレイフ・ファインズ。
知的で物静かなこの役、ピッタリです。
〜実はこの『ナイロビの蜂』、最初は『ハリー・ポッターと
炎のゴブレット』のマイク・ニューウェルが監督するはずだったのが、
『ハリー・・・』のオファーを受けて断ったそうです。〜

情熱的なテッサは、レイチェル・ワイズ。
『ハムナプトラ』『アバウト・ア・ボーイ』では、
あまり好きではなかったのですが、このテッサはとても美しいです。
(なんとなく、デボラ・ウィンガーに通じるものを感じました。)

2人の相手を想う深い愛に胸がいっぱいになると同時に、
人の命を何とも思わない人達、アフリカの現実を突きつけられ、
やりきれない思いに沈む、久々に見応えのある作品でした。

《Story》
  英国外務省一等書記官のジャスティン(レイフ・ファインズ)は、
  植物の世話が好きな(Gardener)穏やかななイギリス紳士。
  外務省アフリカ局長代理として立った講義もまじめすぎて
  聴衆には退屈だったらしい。
  が、そこで政治的に過激な質問をする女性活動家テッサ
 (レイチェル・ワイズ)に出会う。
  正反対の性格にみえる2人がパートナーとなり、彼の新しい任地の
  ナイロビでの生活が始まる。
  夫は庭の植物を丁寧に育て、仕事でもいろいろな問題に対して
  地道な交渉で解決していこうとする一方、妻は、今出来ることを
  求めスラム街の医療活動に。
  そして、活動の為2、3日の旅に出たテッサは、突然帰らぬ人と
  なってしまった。
  妻の死を不審に思ったジャスティンはテッサが気付いていた陰謀を
  追求していく。


アフリカのシーンが素晴らしいです。
貧しいながらもいきいきと暮らす人々。子供達の明るい表情。
テッサがスラムを回るシーン。子供達が次々と " How are you ? "
と声をかけてくるのですが、" I'm fine, how are you ? " と
答えているのは、レイチェルのアドリブだそうです。

また、自らの命を危険にさらしながらも、救援活動をしている人達の存在、
厳しい現実の中での勇気と行動には、言葉を失いました。

ジャスティンの旅が、妻の死に隠された陰謀を追う謎解きだけでなく、
妻の思いを理解していく道程でもあり、サスペンスだけではない
美しい物語としての余韻が残ります。

欧米の人達の為のゴルフ場から、かぶるようにスラム街のシーンが
重なるショット。
裕福な暮らしをしている人達が、いかに地元民達に無関心かが
一瞬に表れていてドキッとしました。

ラスト、アフリカの人達のさまざまな表情をみていると
人が人に対して一番大切なことは "respect である" という
誰かの言葉を思い出しました。

撮影が行われたケニアでは映画関係者が慈善団体を組織し、
橋や学校の建設を行い、その活動は " Constant Gardener Trust " として
今も続いているそうです。
(残念ながら寄付はイギリス・ポンドのみのようです)

***IMDb参照***
↓ ここからネタバレです ↓
posted by *タンタン at 01:56| Comment(4) | TrackBack(12) | * シネマ & Books * | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月24日

もたいさんのおばちゃん『バーバー吉野』

すっかり「もたいまさこ」モードの私は、
荻上直子監督のデビュー作「バーバー吉野」も
早速レンタルしました。



 とある田舎町。
 男の子はみんな「吉野刈り」という前髪をきっちり
 眉毛の上で切りそろえる髪型にしなければいけない。
 その「吉野刈り」は、もたいまさこ演じる町に
 一軒しかない床屋さんがおじいさんの代から引き継いで
 かたくなに守っている。
 そこへ東京からの茶髪のかっこいい転校生がやってきて、
 髪型の自由を主張すると・・・。

少年の描かれ方がかなりベタですが、
「もたいさん」演じるおばちゃんを観ているだけで愉快です。

町内アナウンスの場面は、何回観ても笑えます。
な〜んかひっかかると思っていたら、2、3年前の夏に行った
西伊豆の土肥がロケ地としてエンドロールに出ているではないですか!
実際、5時になると放送があるんです・・・。

posted by *タンタン at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | * シネマ & Books * | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月23日

やっと観ました『かもめ食堂』

ついに観てきました。

小林聡美、片桐はいり、もたいまさこ
3人の存在があってこその作品。
過剰な感情表現がないので、
下手な役者だったら観ていられないと思います。

圧巻はもたいまさこ。
登場シーンの後ろ姿。
ただ立っているだけなのにその存在感といったら!

人っておいしいものをいただくと
「ふぅ〜ん」って、言葉にならない音を発して
お互い微笑みながら見つめ合って頷く。
こんなリアクションは万国共通なのでしょうか?

サチエ(小林聡美)がとっても丁寧に料理
(おにぎりも料理?)をしているのが印象的。

そこそこ長く生きてきて、いろんな別れを
経験してきたからこそわかる心の隙間。
好奇心で人の心にずかずか入り込むのではなく、
黙って共感する距離感がさらりと描かれています。

「まじめに働いていればお客さんは来てくれる」
というサチエのせりふ。
行きつけの居心地の良いカフェの店長さんの
「まじめにやっていれば誰かはちゃんとみててくれるものよ」
という言葉を思い出しました。
人が人に惹かれる、人が集まってくるっていうのは
やっぱりマニュアルやノウハウではなく
その人の思いなのかな、と。

ミドリのようにふらっと旅に出たくなるような
サチエのように毎日丁寧に料理を作りたくなるような
おいしい後味の残る作品です。

* 絶対欲しかったバッグ形のプログラム。
シナモンロールの作り方が載ってます♪
posted by *タンタン at 01:57| Comment(4) | TrackBack(8) | * シネマ & Books * | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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