2008年03月16日

『潜水服は蝶の夢を見る』/ Le Scaphandre et le papillon

その映画が好きかどうかは、オープンニング・クレジットで
決まったりします。 




<音楽+フォント+α>
オープニングの音楽と背景にこの作品のセンス、遊び心、主人公
ボビーの人柄が感じられて始めから引き込まれました。
公式HP

 ファッション雑誌「ELLE」の編集長、ジャン=ドミニク・ボビー。
 仕事、女性、旅、と人生を謳歌していた42歳が、突然脳梗塞で倒れ、
 全身マヒに。
 唯一、動かせる左目のまばたきによって、自伝を書きあげた
 実在の人物の映画化。

まるでポラロイド写真のような柔らかな光の映像がとてもキレイです。
身体が動かず片目だけから見えるボビーと同じ視界。
涙ぐむ時に、かすれる映像。

意思、知力はそのままなのに突然、身体的自由を奪われた状態=
「ロックト・インシンドローム」

劇中、ハイジャックに遭い、4年間人質になっていたという
知人の「人間性にしがみつけば生きていける」という
言葉が心に残ります。
以前見た『パピヨン』 『ショーシャンクの空に』など無罪なのに
獄中生活を強いられた人とも重なりました。
「ネルソン・マンデラは獄中にあっても、ネルソン・マンデラだった」
とも聞いたことがあります。

ボビーは身体的自由を失い、絶望の中から自由にはばたける蝶の視点を
見いだします。
場所、時さえも超えて豊かな想像力と記憶力でボビーにしか
見られない世界が見えるようになり、回りの愛する人達とも
繋がっていられる。

重病ものにもかかわらず、おしつけがましくなく、
家族の絆を表しているのに夫婦の愛情物語ではないところが
フランス的なのでしょうか。

ボビーと言語療法士、編集者との地道なコミュニケーション法で
本を書き上げた奇跡のような出来事とエンド・クレジットが
重なり、すがすがしい余韻が残りました。
もう一回観たい♪と思ったのですが、MOVIXは上映終了。。。
上映館は少なくなっているので、未見の方はお急ぎください!

       *  *  *

子供達の母役のエマニュエル・セニエ。この特徴のある顔、
どこかで見たことがあると思ったのに思い出せなかったのですが
『フランティック』『ナインスゲート』の謎の美女でした。
作品中の歌 " Don't kiss me goodbye " は、彼女が歌っています。

言語療法士のマリ=ジョゼ・クローズ。
ナオミ・ワッツ似のとってもきれいな人。
『みなさん、さようなら』『ミュンヘン』に出演しているようので
次回レンタル決定です。

さっそく原作も読みました。



まばたきだけで、単語をたどっていくこのコミュニケーション法。
ボビーの友人たちは、みんなトライするのですが、
どうも女性の方が得意だとか。う〜ん、わかる気がする。
映画の中にも男性の友人がアルファベットを読み上げるのに下を
向いていて、自分のまばたきに気がつかず、「俺の顔をみてくれ」
とぼやくシーンがあり、笑ってしまいました。

また、子供達の母である女性とは倒れるずっと前から別れていた
とのこと。
それにしても、女性として辛いシーンがありました。。。

この映画が普通のドラマ調にならなくて本当に良かったと思いました。
イメージ(映像)が原作の持つセンスにぴったり。
映画を観てから原作、オススメです。

posted by *タンタン at 12:36| Comment(4) | TrackBack(14) | * シネマ & Books * | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年01月26日

『アース』 EARTH

『ディープ・ブルー』のスタッフが再集結して撮ったドキュメンタリー。






小さい頃見た忘れられない本。
見開き2ページにわたって大きなシロナガスクジラの絵が描いて
ありました。
その大きさを表すためにクジラの下に手をつないで並んでいる
子供たちの絵。
実家で探してもないので、幼稚園で見た子供用の図鑑だったのかも
しれません。

その絵を見てから、寝る前などに時々、大きなクジラが泳いでいるのを
イメージするようになりました。
青く深く大きな海の中をゆっくり泳ぐクジラ。

『アース』では、人間世界とまったく接点のないところで暮らす
動物たちの様子が目の前に広がります。

地球を半周するほど旅をするザトウクジラの母子。
一面雪の中、子育てをするシロクマ。
水場を求めてすすむ象の群れ。

初めてみる光景も。
ヒマラヤ越えをする渡り鳥。
夜ライオンの群れに襲われる象。

宇宙から見た地球。四季の移り変わりで変化する森。豊かな水。
ただただ美しく、神々しいばかり。
地球を守ろう、なんて人間のおごりもいいとこ。
この壮大な自然の絶妙なバランスの中で、
生物は生かされているのだと。

ドキュメンタリー好きの私は十分堪能しました。
が、こども料金500円にひかれ、連れて行った子供達は
「眠かった〜」って (゚∇゚ ;)
後ろの席の子なんて、爆睡していて「終わったよ」って
起こされてたし。

確かにこの映像がどんなにスゴイのかは、子供にはちょっと
わからないかも。。。

でもね、学校と家と近所だけが自分の世界ではなく、
もっと広い世界があって、それが自分にもつながっているんだと
いうことを少しでも感じてもらえたらいいな、
と母は思いました。


posted by *タンタン at 22:14| Comment(2) | TrackBack(4) | * シネマ & Books * | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年01月12日

タイトル一覧

ア行
『アース』/EARTH : 2007年
『アリス・イン・ワンダーランド』/ALICE IN WONDERLAND : 2010年
『イブラヒムおじさんとコーランの花たち』
 /MONSIEUR IBRAHIM ET LES FLEURS DU CORAN:2003年

『イン・ハー・シューズ』/IN HER SHOES:2005年
『オペラ座の怪人』/THE PHANTOM OF THE OPERA:2004年

カ行
『崖のうえのポニョ』:2008年
『かもめ食堂』:2005年
『キング・コング』/KING KONG:1933年&2005年

サ行
『スラムドッグ$ミリオネア』/SLUMDOG MILLIONAIRE : 2009年
『潜水服は蝶の夢を見る』/Le Scaphandre et le papillon : 2007年

タ行
『ダ・ヴィンチ・コード』/THE DA VINCI CODE:2006年
『チェ 28歳の革命』/CHE: PART ONE/THE ARGENTINE : 2008年
『チェ 39歳別れの手紙』/CHE: PART TWO/GUERRILLA : 2008年
『チャーリーとチョコレート工場』/CHARLIE AND THE CHOCOLATE FACTORY : 2005年

『トイ・ストーリー3』/TOY STORY 3:2010年
『東京タワー〜オカンとボクと、時々、オトン』:2007年

ナ行
『ナイロビの蜂』/The Constant Gardener:2005年
『2001年宇宙の旅』/2001: A SPACE ODYSSEY:1968年

ハ行
『ハウルの動く城』:2004年
『バスキア』/BASQUIAT:1996年
『バーバー吉野』:2003年
『百万円と苦虫女』:2008年
『フラガール』:2006年
『プラダを着た悪魔』/THE DEVIL WEARS PRADA:2006年
『プリシラ』/THE ADVENTURES OF PRISCILLA, QUEEN OF THE DESERT:1994年
『ヘドウィグ・アンド・アングリー・インチ』/HEDWIG AND THE ANGRY INCH : 2008年(舞台)
『ベルヴィル・ランデブー』/Les Triplettes de Belleville:2002年
『ぼくの伯父さん』/MON ONCLE:1958年
『ホリディ』/THE HOLIDAY:2006年

マ行
『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』/THIS IS IT!:2009年
『マルホランド・ドライブ』/MULHOLLAND DR.:2001年
『マンマ・ミーア』/MAMMA MIA!:2008年
『モーターサイクル・ダイアリーズ』/THE MOTORCYCLE DIARIES:2003年

ヤ行
『ユー・ガット・メール』/YOU'VE GOT MAIL:1998年
『ゆれる』:2006年

ラ行
『リトル*ミス*サンシャイン』/Little Miss Sunshine:2006年
『レイチェルの結婚』/RACHEL GETTING MARRIED:2008年
『レオン』/LEON:1994年
『ローマの休日』/ROMAN HOLIDAY:1953年


『私がクマにキレた理由』/THE NANNY DIARIES:2007年



posted by *タンタン at 23:39| Comment(0) | TrackBack(0) | + 映画INDEX + | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月30日

「東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン」

オダギリジョー、結婚!
びっくりしました。
なんとなく彼と結婚が結びつかなくて。。。

そして、松たかこ、麻生久美子、と結婚話が続き
今年最後の映画は「東京タワー」にしようと思いました。

先に原作を読んでいました。



<親の死>というテーマでベストセラー。
ちょっと引いていたのですが、夫が借りてきたので
手にとってみると、オカンの不思議な魅力に引き込まれながらも
どこか自分の経験と重なるところもあって、
一気に読んでしまいました。
淡々とした文章なので、さらっと読んでいくと
行間にきて想いが胸の真ん中にすとんと落ちてきて
目の前の文字がかすんで見えなくなる。
それでいて、あたたかい気持ちが残る本でした。

読んでから「おでんくん」を知り、リリー・フランキーを知りました。
いくつもドラマ化されていましたが、ホームドラマになって
しまうのが嫌で見ませんでした。



樹木希林とオダギリジョーのポスターを見て、これだけを見ようと。
リリー・フランキーの話ではなく、
「ボク」の物語として見たかったのでこの画は魅かれました。

子供のために一生懸命働くオカン。
ボクが大学を卒業できない、と聞き
「な〜んで、がんばれんかったとかね・・・」と
何回もつぶやくオカン。
責めるでもなく、叱るでもなく、ありのままを受け入れて、
さっさと気持ち切り替えて、もうちょっとがんばるから、
ちゃんと卒業しなさい、と電話するオカン。
こんな人だから、オトンとも続いていたのでしょうね。
普通は、一緒に暮らさなければ別れよう、みたいに
白黒つけたくなるはずなのに。
そのまんまを受け入れて、久しぶりに会うオトンのために
おしゃれをして待つ人。
故郷を離れ、慣れない東京暮らしの中でも
ボクの友達にご飯を作り、慕われていく人。
樹木希林の味のあるオカン、よかったです。
オダギリジョーもいいかげんでいて、優しくて
繊細なボクがぴったりでした。

ただ彼女役はちょっと違うかな。
松たかこは、好きな女優さんなのですが、強すぎる感じ。
ちょうど麻生久美子がイメージだったのですが。。。

大げさなドラマはないので本を読んでない人には
ちょっと物足りないかもしれませんが、
色も音楽も控えめでポスターのイメージ通り、
とても好きな画でした。

どんな人にも母がいて、必ずやってくる別れ。
親子って近すぎたり、甘えがあったり難しいけど、
娘として、また母として、時々でも大切な思いを
素直に伝えていけたらと思いました。



posted by *タンタン at 02:13| Comment(2) | TrackBack(4) | * シネマ & Books * | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月14日

『ホリディ』/ THE HOLIDAY

インテリア&映画好きは、何回も見たくなる作品♪



監督・脚本はナンシー・マイヤーズ。
「恋愛適齢期」「ハート・オブ・ウーマン」の監督ですが、
20年前には『赤ちゃんはトップレディがお好き』の脚本を
書いているのですね。なるほど単純なラブ・ストーリーと思いきや
ハリウッドの老脚本家の粋な存在がきいてます。

音楽は『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのハンス・ジマー。
劇中に彼の名前が出てくるお遊びも♪

キャメロン・ディアス&ジュード・ロウはわかりますが、
ケイト・ウィンスレット&ジャック・ブラック〜??? だった
のですが、あのジャック・ブラックがいい奴にみえてくるのが不思議です。

ストーリーだけでなく、それぞれのお家もインテリア雑誌のように
楽しめます。

私の注目はキャンドル。
アマンダ(キャメロン・ディアス)のエントランスにある
モルポットに入ったキャンドル。
そしてみんなでゲームをしているテーブルにあるクラシカルな燭台。
一方イギリスのアイリス(ケイト・ウィンスレット)の家にも
シンプルなキャンドルがお皿に3つ並べてあったり、パブにも小さめの
キャンドルが。
キャンドルのある暮らし、いいですね〜 ぴかぴか(新しい)



相性がいい人とは部屋のテイストも似ています。
アマンダのホームシアターにはジャック・タチの赤いポスター↓



ジュード・ロウの書斎にはLIBRO の赤いポスター。
DVDと本との違いはあるものの、ピッタリ!

この映画で覚えた単語 "gumption"
辞書だと「進取の気質」「常識・実務的才覚」とありますが、
字幕では「ガッツのある」となっていました。
都合のいい女を卒業するアマンダのエピソードは爽快です。

古代ギリシャでは、落ち込んでいるときはこの劇をみなさい、
などと演劇が活用されていたそうですが、
私もあの脚本家アーサー(イーライ・ウォラック)の
お勧めリストが欲しい!

イーライ・ウォラックは、若い頃は悪役で活躍していたとか。
(『荒野の7人』では山賊の首領 『ゴッド・ファーザー3』の
敵役etc.)

リー・ストラスバーグと共にあのアクターズ・スタジオの創設者でも
あるそうで、歳をとってこんな素敵な役がきて、演じることが
できるなんて、なんだかストーリーと重なって感動しました。

posted by *タンタン at 01:42| Comment(2) | TrackBack(3) | * シネマ & Books * | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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